約300年も前に始まった富山薬売りは
現在のマーケティング手法が多く含まれています。


客先に薬を預けておいて、
次の訪問で使った薬の代金を回収するというやり方は
「先用後利」と言われるそうです。


使った分だけ支払えばよく売る側にも利用者にも
非常に都合の良い販売方法だったみたいです。



一度取引が始まると、
続けて購入してもらえる継続性もあったようです。



今で言うところの顧客リストが「懸場帳」と言われるもので
住所
氏名
薬の銘柄
使用量
集金額
家族構成
などが記載されていました。


ここまでは常識ですが
顧客の家系が胃腸が弱いとか
親戚や嫁がどこから嫁いで来たかまでの
マーケティングリサーチがされていたようです。


これだけリサーチされていると
無駄なく薬を届けることができたでしょう。

今の通信販売でのリピーター獲得をすでにやっていました。


今の名簿と同じようにこの「懸場帳」は
高値で売買されたようです。



行商人さんが辞めるときにはこれを売って退職金にしたそうです、
全くよくできたシステムです。
                
参考資料:社団法人富山県薬業連合会ホームページより